午後には、萩ものしり博士検定受検者特典ツアーとして、「萩の魅力再発見ツアー 田町商店街てくてく見て歩き」を開催し、
約30名の受検者の皆さんが参加されました。
田町は、お殿様が通った「御成道」に沿って、商店が立ち並ぶ商店街。
藩政時代の町人町の中心的な場所でもあり、城下町ならではの町割が残っています。
現在はアーケードがかかり、商店の建物の多くが更新されている一方で、
表は現代風でも、奥は昔の町家が残されているお店が点在しています。
萩の語り部ガイドさんと一緒に歩いて、その歴史の痕跡探しを体験したり
現在の田町でおすすめのプチグルメを味わったりして、
田町商店街の魅力を再発見していただこうというツアーを企画しました。
参加された皆さんは、ものしり博士に挑戦されるくらいの方々らしく、
ガイドさんの説明を興味深く聞いたり、熱心に質問される姿も見られました。
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まずは、史跡旧萩藩校明倫館からスタート。
新堀川沿いを歩いて、田町を目指します。
新堀川は、江戸時代中期、水運と治水のために作られた人口河川。
当時はもっと川幅が広く、川船が行き来していたそうです。
萩城から続く御成道
戦前は呉服屋として繁盛していたそうです。
tazz.(タズ)。古い町家をオーナー自らが改修したアートショップ。
奥行の深い町家ならではの中庭があります。
津田薬局。人見梁や漆喰塗りの壁がある創業明治十年の薬屋さんです。
角地に建つため、屋根の飾りなど両方の通りからの見栄えを意識した造りになっています。
ギャラリー&喫茶 宙(そら)。江戸時代から続く町家を活用したお店です。
2階のギャラリーにある江戸時代の大きな梁が特徴的。
ここから太田洋行の手前までが1軒の町家でした。
田町eっぷく堂。なつかしい駄菓子がいっぱい!昭和気分を味わえます。
柏木薬局。ネズミの看板が目印の漢方薬充実の百年つづく薬屋さん。
お店の中には、大正・昭和初期の豪華な薬の看板があります。
蔵元自ら杜氏をつとめ、丹精込めて「長陽福娘」などの酒を造っています。
この日は特別に蔵の中を見学させてもらい、2種類のお酒と「仕込み水」の試飲しました。
お酒を造る上でお米とともにとても大事な仕込み水は、この酒蔵の一角にある井戸から汲み上げられているそうです。
さらに、岩崎酒造の酒粕を使った酒粕パンの試食も。
酒粕パンは、ご近所のパン屋「yuQuri(ゆくり)」さん特製のもので、
夏みかんピールとくるみとレーズンを、それぞれ酒粕をつかったクリームに練り込んであり、ほのかに香る酒粕の風味とドライフルーツの甘みや酸味とマッチしていました。
荒川商店。やきぬき蒲鉾はもちろん、萩名物「魚ロッケ」、ごぼう巻もおいしいかまぼこ屋さんです。
ツアー参加者限定で、かまぼこと魚ロッケの試食をご用意。
かまぼこは、「厚みによって味が違う」、「11mmくらいが一番おいしい」といううわさを元に、ふたつの厚みを用意して、味くらべをしていただきました。
唐樋札場跡。江戸時代の大きな掲示板「高札場」の跡が発掘され、復元されています。
唐樋は、萩往還・赤間関街道・石州街道の出発点であり、多くの人々が行きかう交通の要衝でした。
そのため、「高札場(こうさつば)」が設けられ、藩主が決めた法度や掟書などを木の板札に書き、人目をひくように掲げていたそうです。
今回のツアーはここで終了です。
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この日は、「萩産業フェスタ」(萩商工会議所青年部主催)も開催されていて、アーケード内はとってもにぎやかでした。
かつての田町にも、こうやって多くの人や物が集まってきて、にぎわっていたのでしょうね。
様々な歴史の痕跡が隠されていることを知っていただくとともに、
商店街ならではのプチグルメも楽しんでいただき、
田町商店街の魅力を再発見することができたのではないでしょうか。
参加された皆さん、ありがとうございました。