大井地区は、昨年度、文活事業で取り組みを行った地区で、
「古代の息吹が今にいきづく阿牟の里・大井」というテーマで
おたからが認定されたところです。
この日は、地元大井公民館と萩市健康づくり応援隊による
ウォーキングイベントが開催されるとのことで、
文活スタッフ3人も調査を兼ねて参加してきました。
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まずは、大井公民館に集合して、準備体操。
いよいよ七重地区に向かいます。
細くて少し暗い山のくねくね道をのぼっていくと、ぱぁっと視界が開けて、
大井平野と日本海を一望できる下七重(したななえ)地区に着きます。
通ってきた道からは想像できないくらいに明るい景色で、
斜面に沿って、段々に広がる水田には、ちょうど水が張られ、
田植えが行われていました。
この付近のお宅からは、古代のものとされる「陶棺」の破片も見つかるなど、
はるか昔から人々が住み、農耕が行われていたと考えられるそうです。
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木々がトンネルを作るなだらかな坂道を歩いてくと、
田んぼに水を引くためのため池がありました。
高地での稲作は水の確保が重要になるので、
ため池の水を定期的に抜いて、地区の方々が掃除をされるなど、
大事にされているそうです。
きれいに整えられた土手に、鮮やかな黄色い花が咲いていて、
大事にされている様子が伝わってきました。
さらに進むと、また開けた場所に出て、その奥には菅原神社があります。
菅原神社は、「七重の天神様」として地元から親しまれ、
大井の三社のひとつに数えられているそうです。
参道のへりには、きれいな水が流れていて、
参加者の皆さんも癒やされていました。
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もとの道に戻り、さらに坂道を歩いていくと、
上七重(うえななえ)地区に着きます。
明治時代には、亜鉛鉱山が栄えて「大井1番地」の住所がついたり、
昭和47年までは、大井小学校七重分校が置かれたりしていたそうです。
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上七重地区をぐるっと歩いたら、
今度は竹藪の中へ・・・
その入り口には、猿田彦と石仏様が祀られていて、
まるで、街道を見守っているようです。
そして、うっそうとした竹藪を抜けると、これまたびっくり!
日当たりの良さそうな畑が広がっています。
溶岩台地の上に切り開かれたこの畑では、
かつて、杉や桧など多くの苗木が生産されていたそうです。
現在は苗木の生産はすっかり減っているそうですが、
椎茸の原木に使われるクヌギが育てられていました。
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台地から山道を下って、
下七重地区に戻ってきたら、本日の「大井に歩こう会」は終了です。
高地にある大井七重地区だからこそ見られる景観と、
鳥のさえずり、風に揺れる木々の葉っぱ、初夏の空気を
ゆったりじっくり感じられた3時間でした。
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平成27年度の萩おたから総会で認定された大井地区のおたからを
下記のGoogleマップでご紹介しています。
ぜひ、Googleマップを大きく表示して、航空写真や地形を重ねて見てください。
標高150~200mの台地の上に広がる耕作地におどろきますよ!
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